土鍋担いで北沢峠 ・甲斐駒ケ岳  2012 9/29 30

しまこ



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このひと月ほど山へ行けない日が続いているので
もう3年も前に行った甲斐駒ケ岳の話を。








9月の終わりの週末が空いてるからどこか行こうという話をしていて
登山部結成の一番最初に話していた
私が仙水小屋の看板を書いた話を覚えていてくれたシゲシゲが

「よし、甲斐駒行こうぜ、仙水小屋の看板も見に!」

と言ってくれて即決定。
初日甲斐駒、二日目仙丈往復という予定で
北沢峠にテントを張れば空身で往復できるし

「荷物担いで上まで行かなくていいならさ~ 鍋でもするか…」

「鍋ならやっぱり土鍋でしょ~」

「土鍋?!よ、よし、土鍋担いでいけばいいんだろ・・・いけば・・・・・」




2012年9月29日(土)

鍋でもしようと言い出しっぺのシゲシゲに土鍋を担がせて
広河原から満員の朝一番の北沢峠へのバスに揺られて北沢峠へ。


お天気は上々。
窓の外には青空に仙丈の頂も。
でも台風が南海上にあるので日曜後半には崩れてくる見込み。
なので広河原ー北沢峠間のバスも
日曜日は午前中で運転を打ち切ります
と、早々に決定されていたのでこの時点で仙丈はまたの機会に。

サチと私、タイチョーにシゲシゲという
何にも気を遣わなくてもすむメンバー四人。

北沢峠でバスを降りたら10分でテンバ到着。
ちょうど駒仙小屋は建て替え中でプレハブの仮設の小屋で受付を済ませ
我が家を建てたら準備をしてさっそく出発。

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甲斐駒ケ岳。何年ぶりだろう…

最後に行ったのは
社会人になってから大学の同級生と来たんだっけ…


そんなことを思い出しながら沢沿いの道を上がっていけば
ほどなく仙水小屋。
登山道から結界の様に張られたロープ越しに
看板がかかっているのが見える。
ロープをまたいで、おはようございます
と声をかけると出てきてくれた矢葺さん。


「この看板を書かせていただいた…」


「あぁー…」


矢葺さんは昔とほとんど変わらぬ姿で出迎えてくれた。

そして今でも変わらず掛けてくれていた仙水小屋の看板。

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よくよく見れば
当時は木に墨で書いただけだったものが、
ちゃんと彫りが入れてありそこに墨をのせてくれている。

永い年月、この場所に掛けられて当時とは色合いも変わり
字はともかく年月が醸し出してくれる独特の雰囲気が
書いた当時よりもいい味を出してくれていた。


矢葺さんに持ってきたお土産の焼酎を渡してしばし歓談。
これから甲斐駒かい、これ持ってきな、
と人数分手渡されたアサヒスーパードライをありがたくいただき

行ってきます!


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もう紅葉を迎えていた仙水峠。
風もなく暖かい秋の山を…
と書けば聞こえはいいけど駒津峰までの急登は汗だくになりながら結構ヘロヘロ。

でも高度を上げて樹林帯から抜け出れば振り返ると見えてくる
早川尾根や遥か富士山に励まされてなんとか上まで。
そして駒津峰まで来ると正面にドンと聳える甲斐駒ケ岳の大きさに圧倒されて。

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直登ルートではなく白ざれの道を摩利支天の方に回り込みながらユルユル登る。

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どこからでも目立つ白く輝くその山肌は
こんなふうなんだね…とズリズリと足を進めていけば黒戸尾根からの合流となり
ほどなく山頂。





矢葺さんと看板に再会を果たしたことで
もう半分気が抜けている私は早々に座り込んでお昼ごはんの用意。
いただいたビールで皆で乾杯をして
ごはんの後は山頂デザートとホットワインを。

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北岳の凛々しい姿とたおやかな仙丈岳。
エキスパートしか受け入れない鋸尾根。
甲府盆地を挟んでそこにある八ヶ岳。
そして富士山を奥に鳳凰と早川尾根。
とても明日台風が来るとは思えない青空に浮かぶ周りの山たち。

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収まるものがお腹に収まってすっかり復活(笑)
山頂でゆっくりのんびりしていたら人が途切れて
周りを見ると人がいない…
思わず目の前の仙丈岳に向かって

「今度は仙丈に行きたーーーーい!!」と

思わず叫んだ私に苦笑のメンバー。
はいはい、じゃあ近いうちに…確かそんなふうになだめられて下山開始。

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矢葺さんと一緒に写真を撮るのを忘れたことを思い出し
帰りも同じコースで仙水小屋に寄って
早い夕食の準備で忙しい時間だったけれど
出てきてくれた矢葺さんと看板をバックにパチリ。

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別れ際、矢葺さんが

「この看板はずっと掛けとくから」と。

ありがたい言葉をいただいて。






何鍋にするかという大問題があったけれど
言い出しっぺが、常夜鍋にしよう!大根おろしたっぷりのタレで食べよう!
ということで持参の大根約1本を必死でおろすシゲシゲ。

タイチョーはタイチョーで荷物置き場に、と四人用テントまで持ってきてくれて
明日は帰るだけだし寝坊もOK。

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食べて飲んで鍋の〆のサッポロ一番もペロリと平らげおつかれさま~




2012年9月30日(日)

明るくなってから起きる朝。

テントから顔を出しても青空の穏やかなお天気。
台風はどうした。。。
と、突っ込みたくなるような青空の朝。

ゆっくり朝ごはんを食べたらテント撤収、
こんなにお天気がいいのに朝9時台のバスが最終となる北沢峠にザックを置いて
まだバスの発車まで時間もあるので
北岳の展望台までお散歩に。

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下山して寄った白山温泉の駐車場で
タイチョーの車にいつも積んであるテーブルセットにパラソルも広げて
まだカンカン照り、とても今日台風が来るとは思えないお天気の中
仙丈岳で食べるはずだったお昼ごはんと山頂デザートを優雅にいただき帰路へ。


・・・

以前から利用しているこの白山温泉、
芦安から下りてきて韮崎方面にちょっと行くので
登山客も少なく落ち着いて入れる好きな温泉でしたが
今年、ノーベル医学・生理学賞を受賞された大村智さんが経営されていると報道されてびっくり。。。

・・・


青空だけど上空の雲の流れは早く
雨雲とどちらが先に着くかという追いかけっこの中央道を走り
調布インターを降りる頃には雨が降り始めていた。



今回は仙水小屋の看板にも矢葺さんにもお会いできて
最初の目的は達成。
自分ひとりじゃ重くて上がらない腰も
こうして周りに後押しされて再会させてもらえた。
いつもいつもありがとうございます。


・・・仙丈岳はどうしたか、って?

それから一年後に登った話は
今度は「炭を担いで北沢峠焼肉編」として
またいつか。



( おわり )






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Posted byしまこ

Comments 2

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tahara_t2
土鍋

こんばんは。
その土鍋の大きさは北沢峠サイズなのかな。?
常夜鍋のタレは大根おろし、〆はサッポロ一番! (一瞬ビール!って勘違いしたけど)(--〆)

Shimaちゃんらしい山の楽しみ方だね。(*^^)v

しまこ
フツーの土鍋


タハラさんおはようございます^^
この土鍋、4・5人用のフツーの家庭用の土鍋ですよ(笑)

なーんだ、自分で担いでないじゃないか、、、
ってツッコミは無しでお願いします(笑)


北沢峠までバスで行けるし
バスを降りて徒歩10分
こんな素敵なテン場は(徳沢とも違う良さで)
なかなかないですよね~


思い出すと、なんかこの頃は
山を本格的に再開してからしばらくの話で
何をしてもどこへ行っても楽しかったなぁーって。
もちろん今でも山に行けるのは嬉し楽しだけど
忘れてたものが甦ってくる感覚というか、
そんなのが無性に楽しかった頃ですね


あ、もちろんビールだけじゃなくワインに日本酒も担いで行って
全部カラにしてきましたよ(^_-)