両俣小屋へ ① 2015 8/29・30

三年前、初めてその山頂を踏んだ北岳。
二年前、当時の自分と同じ歳になったムスコと両俣から間ノ岳経由で山頂を踏んだ北岳。
去年、登山部で一緒だったサチと山頂を踏んだ北岳。
この三年、毎年山頂を踏んできた北岳には
それぞれの年でテーマがあった。
そして最後に残ったテーマがひとつ。
両俣から左俣ルートで北岳の山頂を踏むこと。
台風10号で南アルプスが壊滅したあの時の合宿で登るはずだったルート。
今年の夏は行けるかな。。。
いろんな都合で予定を一週間伸ばしたら
シゲシゲやタイチローサンも参加できることになった。
このメンバーならルートファインディングしながらでも行けるはず。
今年こそ。時は来た。
そしてもうひとつ。
この夏ご縁があってムスコが両俣小屋でバイトの身となっている。
ムスコには来なくていい、と言われていたけど
星さんにもお会いしたいし。

ところが。。。
どんどん悪くなる天気予報。
8月の上旬は猛暑酷暑ともういい加減にしてと言いたいくらいの太陽と暑さだったのに
下旬ともなると雨雨雨・・・
増水した左俣には入れない。
雨の具合によっては
林道さえ通行止になることさえある、というのに。
天気が悪ければひとりで行くつもりで
ヨーコタンとシゲシゲ、タイチローサンには
せっかく泊まりで山行けるのに両俣小屋へ行くだけじゃ申し訳ないから
お天気になりそうな山を探してそっちに行ってきて~
と伝えたけれど
両俣でキャンプも楽しそうじゃん♪
とありがたい申し出に甘えることにして
土曜日の始発で来るヨーコタンをピックアップして出発。

8月29日(土)
天気予報も良くない夏休み最後の週末
芦安の駐車場はすんなりと一番上の駐車場に止めることができ
乗り合いタクシーにて広河原へ。
今日は人出も少なくて北沢峠行きの臨時バスは出ないらしい。。。
次のバスまでニジカンハン・・・


広河原インフォメーションセンター2階で情報収集していたら
「岳人」のバックナンバーを見つけて
もしやと引っ張り出してはパラパラと頁をめくっていると、あった。
特集に「台風10号の爪跡 南ア林道の破壊と黒部川の大量遭難」
掲載されていた写真は衝撃的だった。
話には聞いていた、土砂、いや、岩に埋め尽くされた広河原。。。
もしあの時下山できなくて広河原にテントでも張っていたら、と
考えたくもないけれどそれが現実、な写真ばかりだった。
自然の力なんて人間の想像をはるかに超えている。

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まだまだバスが出るまで一時間半もあるので
広河原山荘へ移動してお昼ごはんを。




でも食堂は利用しない私たち^^
小屋の前のベンチでランチ。

12:30発の北沢峠行きのバスに揺られて
野呂川出合下車。
このバス停で降りたことのある人は
少ないんだろうな。



林道てくてく。






てくてく。


雨が落ちてこないだけラッキーなお天気。








夏はもう終わっていて
でも秋もまだ遠慮がちに
こちらを伺ってるみたいな
そんな季節の変わり目だけど
静かに花たちが咲いていて
単調な林道歩きだけど
飽きもせず楽しく歩けている。




ちょっと休憩。
ヨーコタンが持ってきてくれた
新宿時屋の大きなどら焼きで元気回復


ふーっ・・・
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この看板が出て来てラストスパート。
今日は北岳は見えないけれど。


そしていつしか林道も終点となり
野呂川へ下りて川沿いの道を。


静かな流れに見えても
ここは増水すれば恐ろしいところ。
根がむき出しの大木が無言で語っている。
次回来る時、あの木はきっともう
あそこにはいないだろう。








静かなテン場の向こうに見えてきた
両俣小屋。


わいわいと話しながら
クマ鈴を鳴らしながら
小屋まで来たので
中からガラガラッと扉が開いて。

「げっ。」
( つづく )
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