両俣から北岳 ③ 2013 8/17~19

早い時間に北岳山荘に着き
コーラと生ビールで乾杯。
とりあえずこの日は布団一枚にひとりで大丈夫との事でホッと一息。
でも同室のグループの方々があまりにも賑やかで
夕ごはんまでは外でぶらぶら。


そんな年頃なのかあまり感情を表に出さないムスコは
この景色を見て何を思っているのだろう。

2013年8月19日(月)
御来光を北岳の山頂で見る人や小屋の朝の準備などで
3時頃から廊下では人の動く音がしていた。

日の出を見て朝ごはんを食べて
今日も素晴らしいお天気が保証されている、そんな朝。
準備をして出発するけど
ムスコの顔は晴れやかで
昨日の朝のような不安気な影はどこにもない。
さあ行こう、北岳が君を待ってるよ。

山頂に着けば雲一つない、訳ではないけれど
青いだけの空の下に
すべての山が見えている。
日本で二番目に高い山。
一番ではないところがまあ、ご愛嬌だけど

ここが登れたんだから、どこでも大丈夫だよなぁ?!
ムスコの問いかけに
それはちょっと違うけどねと思いながらも
うーん、そうだね…登れるかもね~。と、曖昧に返事する。
嬉しそうな顔をしてるからそのくらいに思わせといてあげようか。
厳しい現実は直面した時に実感すればいい。


八ヶ岳の向こうに、ここへ来る前、学校の合宿で登ってきた浅間山が見えたので
あれが浅間山だよと教えるとさらに嬉しそうな顔をしていた。
そして右俣ー大樺沢ルートで下山する時も彼は先頭を歩いて行った。


この時、彼が山頂で仙丈をバックに撮った写真は
引き伸ばして今でも家に飾ってある。
去年の受験の時に、一歩一歩歩けばちゃんと北岳の山頂に立てたんだから。。。
と、まったく響かないだろうけど応援のつもりで。
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両俣を訪ねて
あの山頂に2人で立ってから二年。
彼は大学生になり、この夏
両俣小屋にバイトに行くことが決まり一人で出かけて行った。
いろんなご縁が
まだ南アルプスと繋がっている。
( おわり )
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