大朝日岳 Ⅰ 2015 6/5・6

地元登山部のシゲシゲが公私ともに師匠と慕うイーズミサン。
百名山はあと水晶岳を残すのみ
トレランのレースでは世代別で上位入賞を果たし
先日の東京マラソンではほぼサブフォーという
私などからすればほぼ雲の上のような方。
ご縁があって一緒に山を歩かせていただいているけれど
イーズミサンが先頭を歩いていると
その背中を見ているだけで無条件の安心感がある。
そのイーズミサンの奥様のルリコサンは
いつお会いしてもニコニコと笑顔を絶やさずお花を愛する素敵な方なのだが
このルリコサンも百名山はすでに92座を歩かれている。
大朝日岳は
ルリコサンの93座目の山として今回計画され
私もご一緒させていただく事となった。
だからひとりヘタレるわけにはいかないのだ。
いつもとはちょっと緊張感が違う。
6月5日(金)


朝焼けに染まる東雲。
早朝の新幹線で福島まで。
山に新幹線を使って行くのは初めてなので
それはそれで結構うれしい。
だけど今日は金曜日。
平日なのに大きなザックを担いで東京駅を歩いているという
このなんとなくの背徳感。
・・・いいのいいの
年に一度あるかないかのことだから…
ともう一人の自分に囁かれて、それもそうだよね、と納得させる。
福島駅でレンタカーを借りて北上開始。

月山がその優美な姿を見せてくれて
月山湖を過ぎれば高速も終わり
ほとんど走る車も無い穏やかな景色の道を古寺鉱泉へと向かう。
10:50
古寺鉱泉駐車場到着。
11:15 スタート。



宿泊予定の大朝日岳頂上避難小屋までの
コースタイムは約6時間。
本来なら宿泊予定地には遅くとも16時には着きたいところ。
この出発時間は山のセオリーからは外れています…
しかし夜通し運転してきて朝イチから、というのは体力的にキツイ。
そこで日没が19時過ぎという、この時期を狙っての入山となった訳です。





古寺鉱泉朝陽館の裏手から登山道に取付きます。




ジグザグの急登は意外に早く尾根に乗り上げ
思っていたよりとても歩きやすい道を緩やかに上がっていきます。




新緑と呼ぶには少し遅い
でも盛夏の濃い影を落とす深い緑というわけでもなく
新緑の
神様が用意してくれたすべて違うミドリ色で埋め尽くされたパレットはまた来年まで一旦仕舞われて
目に入るほとんどのミドリは同じトーンに落ち着いて
若い緑、という言葉がいちばん合いそうな
見渡す限りどこまでも気持ちのよい森が続いている。




樹齢がどの位かもわからないようなブナやマツが、
無造作にあちこちに
そこに生きている。
なんとなく酸素までもが濃いような気がするのは気のせいではないよね。



避難小屋泊まりなのでテントは無いけれど
それなりに荷物は多い。
フウフウ言いながら下を向いて歩いていると
励ましてくれるように
そこここに小さな花たち。



青空は望めないけれど、風もなく周りの山山はすべて見渡せている。

道端にリュウキンカの黄色が目に飛び込んできて
一服清水に到着。
とても冷たくて美味しい水。


このコースは水場には恵まれていて、この先には銀玉水、金玉水…
きっと美味しいんだろうなぁと想いを馳せていたのだけれど…
それは甘い考えだった。
結論から言えば水場として使えたのはこの一服清水だけ。
あとはまだ残雪に埋もれて水は出ていなかったのだ。
やはりオンシーズンでない山は侮ってはいけない、という大切な教訓。









古寺山の手前から残雪が現れ
もうかなりグズグズなそれに注意深く足を置き前に進む。






だんだんと視界が開けて遥かに月山がみえてくる。






そして古寺山に。
小朝日岳がその姿を見せてくれた。

( つづく )
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