鳳凰三山 Ⅲ 2015 5/2~3


この富士山。
この朝の時間の蒼い山山と霞む甲府盆地。
そして野呂川を隔てた向こうには
本当に手を伸ばせば届きそうな大きさで
北岳から南部まで連なる南アルプスの山山。
北岳の右奥には大きくておおらかで美しい仙丈が仙塩尾根を伸ばしている。



ただただ眺めてはシャッターを押し…

この景色が見られたから
もう薬師観音地蔵の山頂を踏まなくてもいいかなぁ、なんて気持ちも本気で心の底にちらっと湧いたりするけど
違う違う!ダメダメ!
と、もう一人の自分に必死に否定されて我に返り先へ進みます。






こじんまりとした薬師岳小屋を過ぎて斜面を登れば
薬師岳の広い山頂。

なんて気持ちの良い場所。

どこかの登山用品メーカーの宣伝ポスターになりそうなモデルヨーコタン。

これから先の道は
花崗岩の白い砂の道
雰囲気は燕に似てるかな。
あの、槍ヶ岳や双六三俣を眺めながら歩く道もなかなかだけど
左手に北岳や南アルプスを、右手に蒼い奥秩父や八ヶ岳を遥かに臨むこの道の方が
断然イカしてる、と南アルプス好きのエコヒイキ(笑)





観音岳までくれば
今度は甲斐駒とこれから行くオベリスクが遥か北アルプスの白い屏風の下に。





観音岳の下から鳳凰小屋分岐までの間に1カ所だけ急斜面の雪のトラバース。
ここだけはまたアイゼンを付けて慎重に。








アップダウンを繰り返しながら近づいてくるオベリスク。
そして。








山頂デザート♪







帰り道、観音岳下でアイゼンを外す場所で
やって来たタカちゃんと再会。
これから地蔵岳を目指す彼を「気をつけてね~」と見送って
私たちの山もそろそろ終盤。
往復コースなので帰り道は右手に南アルプス、左手に蒼い山山、そして正面に富士山を眺めながら。
いつまでもいつまでも歩いていたい。





誰もこない薬師岳の山頂で小休止しながら
もうじき見納めとなるこの景色とこの空をしっかりと目に焼き付けて。




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今回の山ではお天気の良いこともわかっていたので
いつものコンデジではなく
重いけれど頑張って一眼レフに1.8~105のレンズを付けてきたけれど
つくづくと思ったのは
人間の目、って凄いな…という事。
うわー!と思ってカメラを構えてみても、
もちろん腕がないので仕方ないけど
自分が、うわー!と思ったほどの絵にはならないということがつくづくと思い知らされた。
その時の、うわー!に少しでも近づくために技術や知識が必要なんだろうけど
撮影のための山行にでも行かない限り
多分私には無理だし必要ないかも。
今のスタイルで山を歩いている私にはやっぱり
その瞬間の「印象」を残すためにカメラを向けている、
という行為以上にはならないんだなぁということを痛感した。
こんなふうに山の表情を切り取りたい、
残せたらいいな、という理想形はあるけど
でもそれとて私が真似してみたところでそうはならないのは一応解っているから…
・・・・いいんだけど。
それでも今までは一眼を持ち出しても単焦点レンズだけしか付けてなかったし、コンデジとも違う。
レンズが変わると違う絵になる、ということは納得。
そんなことをしながらも
少しずつでも自分の印象に近づける写真が撮れるようになれば嬉しいなぁ。
なんて思ったり。
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…ずいぶんと話がそれてしまったけど




11:30 南御室小屋。

テントを片付けお昼ごはんを食べて
名残惜しいけれど、また夜叉神峠まで歩かなければ…
帰り道
火事場跡までくると
白根三山はどんよりと漂う雲の中に隠れてしまっている。
昨日今日とこれだけ出ずっぱりだったから少し休ませて…
そんな雰囲気。

さすがに帰り道はみんな無口に黙々と歩く。
下りてくるほどに緑が濃くなりゴールも間近。


駐車場まで下りてきて
おつかれさまでした!とメンバーと握手。
普段は単独行のテイサンに、いつもこんなにキツイの歩いてるの?!と苦笑されるくらい、、、
よく歩いた~。ほんとに。
ずっとずっと北岳や南アルプスが隣にいてくれた本当に幸せな二日間。
夜叉神峠の売店のソフトクリームの文字が目に入り
下界では絶対にやらない
ソフトクリーム & コーラを自分へのご褒美に(笑)
たまには自分も甘やかしてあげないとね^^
( おわり )
◯ 山頂デザート ◯
・柏餅
・カモメの玉子 ミニ : さいとう製菓
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