荒船山・鼻曲山 2018 11/23・24 ④
葉を落として
冬枯れの明るい山。




この辺りかな、、
去年、撤退した場所は。
あの時、背の高さまであるくらい笹に覆われた道だったけれど
その時の笹は見渡す限りに
何十年かに一度しか咲かないという花が咲いていて
花が咲くと枯れるという言葉通りに
葉を落として細い茎だけがみっしりと
天に向かって伸びているだけの姿になっていた。



その先の道は見た目よりもなかなか手強くて
落ち葉に隠れたトラバースの斜面は
ズルズルと崩れていき
切れ落ちた谷はかなりの深さ。
地図にも危険マークが付いていて「滑落多い」
そんな言葉が普通に書かれていたりする。




山頂は見えているのになかなか辿り着けなくて
ザレた急斜面にはロープもかかっている。








軽井沢からの道とやっと合流。
ひらけた景色の先の
白い峰々に心馳せながら。
あと20分か、、、






AM 10:50 鼻曲山山頂
分岐からこの山頂まで
ここへきて思いもよらぬ急登の直登に
上州の山は一癖も二癖もあることを実感して
あゝ、やっと山頂についたんだなとザックを降ろした。





おつかれさまでしたからの
金湯館のおにぎり弁当。
作家 森村誠一が学生時代に
この山頂でこのお弁当を食べた頃と同じ包み紙という。
ここに書かれていた西条八十の詩 「帽子」にヒントを得て
後年『人間の証明』が書かれたという。


まばらな人影。
静かな山頂。



木々に囲まれているので
大展望とはいかないけれど
木の間越しに遥かに雪をつけた
北アルプスも見えている。



浅間山も木の間越し。




八ヶ岳の向こうには南アルプスかな。














静かな冬の始めの上州の山。
鼻曲山。
前回の、むせるような新緑の霧香の山と
これが同じ山かと思うような道を歩いた。
今度は、あのダンディな尾崎行雄が歩いたという
軽井沢からの道を辿るのも楽しそうかな。
鼻曲山にレンゲショウマの咲く季節に。
( おわり )
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