丹後山・大水上山・兎岳 2018 7/21・22 ③
獅子岩を上がったところが
八合目だった。

これまでの急登
辛かった登りが報われる景色。


丹後山あたりから
大水上山から兎岳



稜線が緑の草原なんて。
なだらかで穏やかで
ぐるり見渡しても気配というものがない。


中ノ岳にかかっている雲も
もうすぐ取れそうで
谷底から突き上げるその大きさに見惚れるばかり。
越後三山の最高峰である中ノ岳は
こんなに大きくて素晴らしい山なのに
まるで南アルプス白峰三山の間ノ岳のような
名前のつけられ方で少し不憫に思えるほど。


…それはさておいても
緑の山肌にも
見惚れるばかり。









サワサワサワサワ・・・
立ち止まり耳を澄ますと
緩やかに吹き抜けていく風が
一面の笹を揺らす音
そして遠くで鳴くウグイスの声
それ以外何も聞こえない。





九合目からの
巻機山へと続く
道のない上越国境稜線は
雪の季節にしか人を寄せ付けないけれど
これ以上ない穏やかな微笑みで出迎えてくれた。



笹原につけられた道を
ゆるゆる歩いていくと

あった!
茶色い屋根のポツンと一軒家
丹後山避難小屋。
午後2時半、
あの苦しい登りの中
この時間に着けば充分だよね。







「コンコン」
一応ノックしてドアを開けてみたけれど
中には誰も居なかった。
もわん、とした空気の小屋
重かったザックを下ろし靴を脱ぎ
上がって窓を開けて風を通すと
それまでの疲れも風と一緒に窓の外へと吹かれて行って
まるで高原の別荘へやってきたような気分になった。


そういえば
途中で会ったお兄さんの話では
先に小屋へ向かってていた人がいたはずだけど
誰か人が来ている形跡はない。
その後トレランのお兄さんとすれ違った他に
同じタイミングでもう一人下山する人がいた。
挨拶だけして振り返るとその人のザックは
日帰りにしては大きかったから
もしかしたらこの暑さと急登で
避難小屋泊まりのはずだった人も
諦めて下山してしまったのかな。。。
とにかく、普通の夏ではない、この酷暑、
自分もこの登りで何度も心が折れかかったかしれないけれど
なんとかここまでたどり着いた。


さて。
一息ついたら山頂へ行きましょう
ビールだけぶら下げて。






中ノ岳さん、はじめまして。



おつかれさまでした。
よく頑張った、自分。
嗚呼、
自分で担ぎ上げたビールの
なんと美味しいことよ。
( つづく )
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