仙水小屋のはなしⅢ 小屋の看板

しまこ



なぜ唐突に


・・・小屋の看板を書く


という話になるのかということをちょっと書いておくと




その辺の女子大生からは想像もつかない
地味な大学生活を送っていたワケ
それはちょっと触れた、大学で特殊な専攻の学科にいたためで
当時の私は書道を専攻する学生だったから

。。。大学にそんな学科があるのかという声がきこえてきそうですが
数は少ないけどあるんです、、、一応




そんな前置きがあって
矢葺さんもそのことを知っていたので
・・・小屋の看板書いて・・・
という
ありがたくて、今思えば本当に畏れ多い申し出をして下さったのだ

いいですよ~

何にも考えず、軽く返事をした私を怒りたいくらい



その場で書けるわけではないので
とりあえずこの夏のバイト代と2冊の本をいただいて帰京


こうして大学2年のこの夏は終わっていった。







そしてあらためて看板を書くために
再び仙水小屋を訪れたのは秋になってからだったろうか



多分体育の日の前後くらい
大学には秋休み、というのがあって
3・4年生の履修の関係で1・2年生は9月の半ばからひと月ほど休みになるという。。。
多分その休み中にまた仙水小屋を訪れた


訪れた日、お客さんとは別の夕食
外のテーブルにご馳走やお酒が並び
常連さんやお手伝いの方たちと一緒に矢葺さんを囲んで
私もその輪の中に入れてもらい楽しい宴を過ごした

そしてその日は布団部屋(部屋というほど広くはないけど)に寝かせてもらって翌日を迎えた


次の日、お客さん達を送り出して朝の忙しい時間も過ぎたところで
矢葺さんは用意しておいてくれた看板用の板を出してくれた


私はといえば

一応どんな書体でどんな風に書こうかと考えて下書きも持って行き
墨と硯と筆を持参

こんな感じでどうですか?

と聞いてみるも

おお、いいよ、どんなのでも!

こんな感じの返事だったかな
何事にも大きな心の矢葺さん^ ^



夏休み中の課題で出ていた
孫過庭の書譜、風に。。。

一応・・・当時の本人はそんなつもりで書きましたが・・・
今見るととても恥ずかしいし知ってるヒトが見たら笑止千万なシロモノ。

この話の Ⅰ で差し込んだ山と渓谷の記事の写真
あれに小さく写っている看板がそれ





そして
それは今でも仙水小屋にかけられている









時は流れて



3年前

また山を再開することになったきっかけの最初の最初の時
2011年の夏頃、
シゲシゲ(仮称)と地元BARで偶然会って、山の話になった時に
この看板を書いた話になって

(この時の話はまた別の機会に書ければだけど、シゲシゲはオヤジ仲間であるうちの相方から、
私が昔、山をやっていたことは聞いて知っていたので)

それを覚えていてくれたシゲシゲが2012年の秋に

・・・甲斐駒行こうぜ!

と言ってくれたのだ



そうして私もまた◯◯年ぶりに
この看板と矢葺さんと再会することになった

その時の顛末はまた別に書くつもりだけど
看板の事だけ書いておくと


看板については、それまでも
山雑誌などを見ると仙水小屋が載っている写真などに看板もそのまま掛かっているのを見ていたから
あぁ今でもかけてくれてるんだと思っていたけれど
2012年に訪ねた時
実物と久しぶりに再会したら
それは
長い年月に渋く素敵に歳を重ねていた

しかも、当時は板に書いただけだったのが
ちゃんと彫り込んでくれてそこに墨を入れてくれてあり
見違えるように立派になっていて言葉が出なかった





更にその時矢葺さんが言ってくれた



この看板はずっと掛けとくから





DSC03524_convert_20150206215402.jpg







( おわり )





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Posted byしまこ

Comments 4

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sorano

すごーい!
シマコさん、達筆ですね♪
小学生の時に書道を習いに行きましたが、、、
1回で辞めました~^^;

想い出深き小屋があるなんて
素敵すぎる!(o´∀`)ノ

仙水小屋
行った時はまず看板を見ますね♪

  • 2015/02/10 (Tue) 16:16
  • REPLY
しまこ

ソラノさん♪

あらら。。。
一回でやめちゃったんですか^^;
…そんなにつまらなかったのかしら、、、
楽しく書ける環境だったら続いてたかもしれないのに
ちょっと残念。。。

山と同じく
いろんなご縁をいただいて
仙水小屋に看板がかかっています
自分でも不思議ですよ^ ^

仙水峠から摩利支天と甲斐駒ケ岳を眺めるだけでも
行く価値のある所だと思うので←かなりひいき目(笑)
いつかぜひ🎶

sho
女子大生のしまちゃん


って
なんとも意味不明のタイトルだけど・・・
ちょっと小屋番風景を想像してにっこりさせてもらいましたよ^^





山小屋の看板は
まさに小屋の鏡。

辿り着いた小屋の看板はボクにとっても
想い出の被写体だし
そのどれもが味わい深い看板ばかり。
小屋の年輪がそのまま刻み込まれていて
それは山と同じくらいに
重厚な存在だったりもして・・・

鏡平山荘の看板文字は
日本の女性登山家の
草分け的存在の坂倉登喜子さんだし
双六小屋の看板の題字は
「花の百名山」 でお馴染みの
田中澄江さんだし・・・
なんて山の有名人のものもそれはそれで
ステキだけど

ボクの中で逢いたい看板のひとつに
この仙水小屋の美文字看板が確かに
加わったかも^^


それにしても最高の仕事、山屋ならなおさらの
最高に嬉しい出来事だね。



・・・小屋の看板書いてよ

あぁーなんてステキすぎる流れ^^



いつか
小屋番のしまちゃんにも逢える日がきたりして・・・

しまこ
年月が醸しだしてくれるものもある

山小屋の看板は
まさに小屋の鏡。

・・・そんな言葉をもらうと
ちょっと困ってしまう。

師匠が今まで出逢ってきた
味わい深い看板はきっと素晴らしいものばかりですよね。

・・・今でも・・・
仙水小屋に私が書いた看板がかかっているなんて
他人事のように不思議な気持ちなんですよ。自分の中では。


坂倉登喜子さんの鏡平小屋や
田中澄江さんの双六小屋の看板みたいに
その人柄が滲み出るような素敵な字ではないし、
今だったらもう少しマシな字が書けたのになぁ、って思うばかりですけどね。

でも
こと山に関しては
いろんなご縁をいただいてきて
本当に小屋の看板を書く機会なんて
そうそうあるものじゃないから
しかも
それをまだ使ってくださっているなんて
本当にありがたいことだなぁ、って
つくづく感謝の思いばかりです。

矢葺さんは焼酎が大好きだから
きっと師匠とも話しが合うはず。
いつか師匠が仙水小屋を訪ねてくれるなんてことがあるのかな。
あったらうれしいけど♪



小屋番の私?
あり得ない!
…って言えないところが自分でもこわいんですけど・・・^^