「41人の嵐」Ⅲ caffe nero と山の神様の導きと

しまこ




高二の夏合宿の話はこれで終わりなのだけれど
「41人の嵐」を手にするまでになんと長い月日がかかったことか。



星さんがこれを書いて山梨日日新聞社から出版されたのは
本の奥書をみるとこの台風の翌々年の春先。

私は高校卒業を間近に控えた頃だ。


確かあの頃の「山と渓谷」にも
星さんは特集記事で取り上げられていたと思う。
41人の嵐を出版した後だったのかな。



顧問M先生から
うちの高校の話も出てるわよ、と教えられ
「41人の嵐」を借りて読んだが、
それはそれでそれっきりとなり、いつしか記憶の中からも消えていった。



大学生になってもワンゲルには入らなかったし
大学に入ってから何かとお世話になったのは
同じ南アルプスでも
仙水小屋だったので (仙水小屋の話しはまた後日)
両俣を訪ねることも北岳に登ることも無く月日は過ぎていった。






それがほんの3年ほど前
地元で山仲間が出来て、また本格的に山を再開し
ふと立ち寄った本屋で
ワンゲル ガイド ブックス の南アルプス編 (以前のアルパインガイドかと思われる)
を立ち読みしていると



えっ・・・

なんでこれがここに載ってるの?!



そこには抜粋された41人の嵐が。



もちろん速攻で買って帰り
登山部のミーティングの時にシゲシゲとタイチョーにその話をした。

すると2、3日もしないうちにタイチョーがここで取り扱ってるみたいだよ、と連絡をくれた。
そこに載っていたのがcaffe neroだった。



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(タイチョーがくれたホームページのコピー)




何十年を経て星さんが自費出版という形で再版した直後で、
それを取り扱っていたのがcaffe nero。



しかも同じ区内にあるじゃないの…




訪ねたcaffe neroのオーナーは私の話を面白がって聞いてくれた。


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そしてオーナーが話してくれたのは
つい最近になって両俣小屋は村からの管理を星さんに委嘱したような形になったので
星さんや小屋を愛する人たちが集まってNPO法人を設立し、
自費で再販した41人の嵐の売り上げも
NPO法人となった両俣小屋の運営費に充てられるということを教えてくれた。


釣りやアウトドアを愛するcaffe neroのオーナーのOさんは
NPO法人両俣竜胆愛好会の副代表であり
caffe neroは両俣小屋の東京事務所という性格を持つカフェだったのだ。




在庫が切れていた41人の嵐はすぐに星さんの所から取り寄せてくれて
後日、受け取りに行きがてらneroでエスプレッソを飲みつつ再読。

なんてこと

地元でこんな出会いがあるとは。


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(お店の看板犬 zoy ♡  初めてお店に行ったときにいた先代の rio は甲斐犬だった)


2012年の春先だった。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



41人の嵐を手にしたこの年の夏
あの高2の合宿以来○○年ぶりに
私は北岳の山頂を目指し、その頂にに立つことができた。

そしてその次の年には両俣を訪ねて星さんと再会することも叶った。


IMG_2166.jpg
(2012年 北岳山頂から両俣を望んで)



この3年ほど

山を再開してからは
山に関するすべてのことが
全部山の神様のお導きじゃないかと思うようなことばかり起きる。

もちろん自分が動いているからでもあるけれど。



自然には敬意と畏怖を抱きつつ
これからも山を歩かせてもらうだろう。

私が山を歩く時、山頂を踏めなくても特に執着しないのは
きっとこんな経験をしているからなのかな。

敗退、という言葉も使う気がしない。
別に勝負してるわけじゃないんだから。
(あ、これはどうでもいいことですね。・・・意見には個人差があります^ ^)



たまに読み返す「41人の嵐」はいつでも
思い上がった人間の小ささと
自然の前には人間はどれほど無力であるかということを教えてくれる。

だから私は自然には逆らわずに
これからも山で起こることや出逢う人たちを
素直に受け入れようと思っている。



すべては山の神様の導きだから。




( おわり )



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Posted byしまこ

Comments 5

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kawamin
深いね。

しまちゃん こんにちは
自分のBlogを書く気になれないままBlogサーフィン(笑)

41人の嵐は何度読み返した事か。
自然の脅威、優しさ、美しさ、厳しさ
立ち止まって反省させられちゃう本。
でもそれも必要な時間なんだよね。
山への憧れが強い程無茶をする
己のスキルを飛び越えちゃう
怖いもの知らずってやつ。
憧れだけじゃどうにもならない事が山程あるって
身を以て知るって大切だよね。

丹沢山で軽い低体温症になった時
『これが2000m以上の雪山だったら』
と、初めて冬山の怖さを知ったんだよね。
いつも真摯に謙虚な気持ちで
それと同時にいつもドキドキしてたいな。って思う

おぉ、何だか今日は真面目だぞ♡
それでは又♪

kawamin
あ…

この本から
自然の美しさや優しさは違うね
ついでに書いちゃいました(笑)
以上!

しまこ
本当の深さはわからないけど。

かわみんちゃん こんにちは

かわみんちゃんのblogの更新を待ってる人がここにもいるよ、
・・・と思っていた間に更新されててワクワク^ ^


本当に嬉しい言葉です。
41人の嵐を何度も読んでくれてるなんて。

怖いもの知らずの憧れだけでも
行けてしまう山や越えてしまうルートもあるけど
本当の怖さを知っているかいないか
もし身を以て少しでもわかっていれば、少なくとも無理はしないよね。

結局私は41人には含まれなかったから
両俣に残った一番大変だった方たちの経験は
私も読んで知るしかないのだけどね…

でも2年前に両俣を再訪して
当時、平で広々した印象だったテン場が
見る影も無かったのは深いショックでした。

もし、いつか機会があったら
深くて静かな両俣も訪ねてみてね(^^)



かわみんちゃん、丹沢山で低体温症になって大変な思いをしたんだね…
でもそんなキツイ思いをしたことも身を以てわかれば
それは無駄な思い出にはならないもんね。

普段は忘れてても
そんな思いをどこかに抱えながら
いつもドキドキしてお山に向かいたいよね♪



ありがとう。
コメントとっても嬉しかった♪





いえいえ
この本の最初、
星さんが両俣へ入るまでの章には
自然の美しさや優しさが書かれてるよ。
広河原や両俣の♪

ちゃんと読み取っててくれてありがと^^



sorano

冷静で素早い判断力って大切ですね。
顧問の先生に大拍手です♪

そして
偶然は必然、人との出逢いって不思議☆

「山頂を踏めなくても特に執着しない」
同じです!(^^)
私の場合は「全く執着しない」かも(笑)

決してピークハンターではなく
個々の山そのものに興味があるので
山の標高にもこだわっていませーん^^;

山は「自然」の優しさと厳しさを
教えてくれるな~と思います。

しまこさんがおっしゃる通り
「思い上がった人間の小ささと
 自然の前には人間はどれほど
 無力であるかということを教えてくれる」ますね(*^^)v

とても良いお話でした!
ありがとう♫

  • 2015/01/16 (Fri) 12:28
  • REPLY
しまこ

ソラノさん♪ 読んでくださってありがとう

いつか書いて残しておきたかった話を書いて
今ちょっと気が抜けた状態 ・・・笑

でもどう考えても
あの時台風が来なくても
きっとその後どこかで同じような経験をする事になっていたのかな
なんてそんな気がしています

そう、偶然は必然…人との出会いも出来事も
私は早いうちにそんな事を実感する出来事にであったけど
それはそれで幸せだったのかもしれませんね

ソラノさんの

個々の山そのものに興味があるので、

という言葉がなんかいいな~と思って
ソラノさんのブログ見ててもそれを実践してるというか
楽しく歩いているのがとてもステキだなぁって思ってます(^^)


いつもありがとございます♪
ソラノさんと話してるとたくさん元気もらえます^ ^