越百山・南駒ケ岳・空木岳  2017 9/23~25  ⑦

しまこ





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忘れられない朝の色たち











9/25  Mon

4時に目を覚ましてシュラフから顔を出すと
すぐ横上にあったカーテンを引き忘れた窓からは
満天の星空が見えていた。
ダウンの上下を着込んで外へ出てみる。






風は弱く
もっと冷え込みも強いかと思って覚悟したわりには
それほどでもなかったので
テラスのベンチに腰掛けて空を見上げた。

目が慣れてくると漆黒の大きな山の陰の上には
明るく輝く星座から
静かな仄かな光を発する名前も知らない星から
天の川の白っぽい帯まで
久しぶりに見る満天の星空が広がっていた。

見上げていたら首が痛くなったので
そのままベンチに寝転んでみる。
視界の中から山の影が消えて星と空しか見えなくなって
足元から頭の上に流れる天の川が視界いっぱいに入ってきた。



ほんとうにCOSMOと繋がってしまったみたいだ。











山頂で飲もうと思っている
珈琲のためにお湯を沸かしてポットに入れたら
出発の準備をして外に出る。










満天の星を映していた空も
徐々に星の光が消えていき地平線から
オレンジのグラデーションと共にあけてくる一日の始まりは
雲ひとつない空に雲海が敷きつめられて風もそよともしない
何年山を歩いていてもこんな日は滅多にはないような
完璧な朝の始まりだった。






























ここで日の出を迎えてもよかったけれど
山頂へ行かなければ・・・










見る方向で
まったく違う空の色。











そしてもう、その色を見たら
目が、身体が釘付けになってしまって
動けなかった御嶽山の上を染めるビーナスベルト。




山頂にいる人は皆
今にも南アルプスの上から顔を出しそうな日の出を待っているので
ひとり反対方向を向いて
地球影の上に広がる
これまでに見てきたどんな色より美しいビーナスベルトや
その下に穏やかに佇む御嶽山と眼下の雲海や
山の重なりを見ていたらいきなり涙が出てきて、それは
嬉しい、とか、悲しい、とか、悔しい、とか、
そういった感情はまったく伴わなくて
次から次へと溢れてくる涙に自分でもどうしたらいいのかわからずに
でもそれでも目が離せなくて涙と鼻水を掌で抑えていると





「あ、きた!出た!」

と背後で声が聞こえてきた。



AM 5:39

それは仙丈岳から顔を出した。
















美しや。影空木。







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出発していく人を見送り
そして
初めてここへきた時に見ていつか行きたいと心に刻まれて
昨日、自分の足で越えてきた南駒ケ岳を
もう一度しっかりと目に焼き付けて。










そして
これから歩くまた厳しい岩場の前に
大好きなスマトラマンデリンで目を覚まして。










さよなら、空木岳。

いざ、木曽殿越。















雲海に浮かぶ八ヶ岳は
本当に海に浮かぶ優雅な客船のよう。



































そして気を引き締めて鎖の岩場。

















地図を見ても
特に鎖マークも危険マークもついていない
この空木岳から木曽殿越までの道。


これはなかなか・・・

仙涯嶺の鎖場の記憶も霞んでしまうような緊張に
必死に手がかり足がかりを探しながら進んでいった。





(  つづく  )







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Posted byしまこ

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