焼岳  2016 10/29  ②

しまこ



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風は冷たくて
でも冬ではなくて陽射しの温もりも少し感じられたりもして
でも薄手の手袋一枚では指先の感覚もすぐになくなるくらいの
でもせっかくこんな景色だしゆっくりしようよと
タイチローサンは嬉々として
三脚出してタイムラプスまではしなかったけれど
この360度の展望を心ゆくまで楽しんでいる。

















山頂デザートをするには寒いので
私もカワミンチャンもこの景色と引き換えに着れるものを全部着込んで
ちょっと風の来ない岩陰に並んで座り

「あれは鷲羽かな…」

「落葉松きれいだよね…」

「雲が…」


会話にもならないような見えるものを口にするだけの
かと言って別につまらないわけでもなく
心がじわじわと満たされてくるような
その場にそうして居られる時間をただ過ごすだけでいい。

気がつけば小一時間もゆっくりと
その景色の中の一部になって馴染んでいたようだった。










おとなりの乗鞍も
繭玉みたいな羊雲の下
クリアな姿を見せていた。






さ、下りよっか。















来た道とはずいぶんと雰囲気の違う
ガラガラの道に足元を気をつけながら下るけど
ずっと眼下に黄色い上高地と梓川を見ながらなので
足取りは軽い。













































ザックの色も
帽子の色も
まるでこの落葉松とコーディネートしたかのようなカワミンチャン。


































翡翠色の大正池に押し寄せる落葉松の黄色。
















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穂高の屏風もあっという間に手前の尾根に隠れてしまい
そしてすっかり笠ヶ岳の雲は取れたけれど
これで見納めになってしまうんだな、笠ヶ岳。

きれいな姿。来年は行きたいなあの上に。











もう営業はしていない焼岳小屋。
冬支度の音が中から聞こえていた。







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焼岳小屋を過ぎると完全に上高地側の道となって
笹原の中を霞沢岳を正面にぐんぐん下っていくようになる。


カモシカのように下るタイチローサンには
とても追いつけないので
それぞれのペースで秋の色を楽しみながら下っていく。





















そしてあらわれる名物のハシゴ。


もう大昔に上高地から登った時のことは
あまりよく覚えていないけれど
こんなに長くて垂直だったかなぁと覗きながら
自分の番になると結構緊張して両手を握りしめてのそのそと下りた。

このハシゴも使用できるのは今日までで
明日には取り外されて来年の5月まで
焼岳は冬の季節、こちら側からは人を寄せ付けない静かな時間を迎えるんだ。






(  つづく  )




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Posted byしまこ

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