白馬岳・雪倉岳・朝日岳 2016 9/23~25 ⑤

山旅の途中。
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雪倉岳は思っていた通りの素敵な山頂だった。
白馬岳から小蓮華山、白馬大池までのなだらかな稜線
三国峠から歩いてきた道
遥かに見える剣岳や立山
目を凝らすと白馬大池まで見えて
風もなくて薄曇りの秋の山頂で
いつまでもいつまでもこの眺めを見ていたい、そんな山頂だった。


そしてこの先に目をやると
セットの場面を転換するように
朝日岳の大きくて丸っこい
今まで歩いてきた道とはまったく違った雰囲気の景色が広がっている。

赤い屋根の朝日小屋も見えている。
あそこまで行くんだ。


山頂から下り始めると
次々と登ってくる人たちとすれ違うようになる。
朝日小屋から来た人たちだ。
昨日の雨の中、五輪尾根から上がったという単独のお姉さんは
五輪尾根や水平道の紅葉が素晴らしくて・・・
小屋も人が少なくてみんなで乾杯しましたよ・・・
それは楽しそうに話してくれた。
次々と登ってくる人たちと挨拶を交わしたり
短い時間に情報の交換をしたりしながら歩いていくうちに
朝日小屋から栂海新道で日本海まで歩くツワモノの話など聞いたりして
あゝここはそういう場所なんだなぁと
違う領域に足を踏み入れた、そんな空気を感じながら足を進めていく。

ハートの形の池があると聞いていた。

雪倉池。
本当にハートの形で思わず笑みがこぼれて歓声を上げる。










雪倉岳の山頂から一気に約500メートル下り
また新たなステージに入るように
赤男山の山腹を巻く道をずんずん進む。



AM 11:15
木道の道が続く庭園のような
小桜ケ原でひとやすみ。
その名のとおり、ここは雪解けの時期に
一斉にハクサンコザクラが咲き乱れるという場所・・・だそうな。
どんなに素敵な場所なのか・・・
想像しただけでドキドキする・・・
ふと現実に戻れば
こんな素敵な場所なのに
誰も行き交う人がいない・・・
木道に腰掛けて半分残しておいたお弁当を広げる。


今日のこんな景色の中に身を置いていると
旅、という言葉がいちばんしっくりするのかもしれない。
山旅。
次から次へと変わる景色の中を
すべてを受け入れてただただ歩くだけ。



しばらく歩くと
朝日岳山頂へ直登する道と水平道の分岐に出た。
地図にさえ、水平道と言ってもアップダウンが激しいので注意、とかかれ
歩いた人さえ、ぜんぜん水平じゃなくて・・と散々に言われる道。
だけど
明日は山頂へ行くのだからせっかくだから水平道へ。






それは、素敵な道だった。
8月ではまだ雪渓に覆われている場所に
池が出来ていたり
斜面一面がイワイチョウの黄色や
チングルマの紅に染められて
そんな中を木道が続く
秘密の小径のような・・・
確かにアップダウンはあるけれど。

最後は鎖場もあったけれど。




尾根をまわり込むと
ガスに煙る向こうに見えた三角屋根。
朝日小屋。
ああ、本当にここまで来たんだ。


水平道と朝日岳の分岐。
この向こうがわは日本海。
来たんだー。


PM 1 : 45 朝日小屋到着。がんばったー。
( つづく )
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