白馬岳・雪倉岳・朝日岳 2016 9/23~25 ④

その先へ。
今日はこの道に一歩を踏み出せる。
その嬉しさと
どんな道のりなのかという期待と
なんとも言えないごちゃ混ぜの気持ちで分岐の先に足を進める。

こちら側から見る雪倉岳は
山頂からなだらかな両肩をおろして
まるでそれが倉の字の部首の「ひとやね」みたいで
伸びやかな左払いと右払いの交わる山頂はどんな景色なんだろうと
ついつい足の進みも早くなってしまう。





正面に雪倉岳を望みながら左手には
白馬は陰になって見えないものの
旭岳から清水岳への素晴らしい山並みが続いている。
緩やかな道が続くけれど下りになれば
谷間を埋める秋のパレットのような色彩が飛び込んでくる。


秋の色に足を止め
ふと見ればマツムシソウが咲き残っていた。
この道が夏にはお花畑で埋め尽くされて
その中でもマツムシソウの大群落がどれほど素晴らしかったか…
という話を聞いていてずっと見たいと思いながら
もうこの時期なのでまるで期待もしていなかったのに。
嬉しかった。


おはようございます!
今日初めて会う山人。
昨日は雪倉岳の避難小屋に泊まったという。


そして今日もまた
道案内してくれるような雷鳥たちの後をついていく。



・・・出発から2時間
日の出の景色や初めて歩く道に嬉しくて忘れていたけれど
ふと我に返って
朝ごはんを食べずに歩いてきたことを思い出したら
無性におなかがすいてきたので小休止。
この景色の中で食べるお弁当の美味しさよ。





鉢ヶ岳は山頂を越えるのかと思っていたけど
ずっとトラバースの道が続いている。
斜面を見上げればそこが全部お花畑だったことがわかる。



ナナカマドも
綺麗に色づき始めている。
前を見ても谷を見下ろしても斜面を見上げても振り返っても。





やがて
遥か向こう側と思っていた
富山の街と日本海がすぐ近くに見えてきて
反対側には雨飾山や妙高火打の山が近付いてきて
避難小屋のある雪倉岳の鞍部に到着。








雪倉の山頂まであとひと頑張り!
とばかりにまた逢えた雷鳥さん。
苦しい登りでどれだけ励まされたことか。
おかげで最後の登りは足取りも軽いよ、ありがとう。

AM 8 : 45
雪倉岳山頂。

そして振り返ればこんな景色がそこにある。
剱や立山さえ見えている。


見たいと願っていた景色はそこにある。
やっぱり言葉も出なくて何も言わないけれど。
どんな言葉をここに重ねてもそれは薄っぺらくなるから言わないことにしよう。
ただ、この山頂で山頂デザートをしよう、
うん、そうしよう。

さあ、おいしい珈琲を飲もう、この山頂で。
( つづく )
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