白馬岳・雪倉岳・朝日岳 2016 9/23~25 ①

雨に唄えば。
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去年の今頃
私はどこにいただろう。
去年の今頃
そうだ私は聖岳にいた。
南アルプスの南部は
9月の下旬といってもまだ夏の続きのようで
青青とした緑の山は紅葉なんて
いつになったらするのだろう…
そんな印象でこのところは
紅や黄色に彩られた山を
そんな色の氾濫に塗れながら
歩いた記憶があまりなかった。
秋分の日秋のお彼岸
まとまった休みが取れたので
今年は北にいってみようか。
それも北の果てまで。
2年前ガスで道を見失った三国峠で見た
雪倉岳の文字。
そして先月来た小蓮華白馬から見えていた
たおやかな姿の雪倉岳と遥かな朝日岳へ。
その先へ、の山旅。
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9月23日(金) AM 6 :10
始まりは雨。
毎週やってくる台風に
それでも今日だけ我慢すれば晴れる、、、はず。
まるで雨飾山の再来のような山旅の始まりだけれど
不安はない。
雨の日の楽しみ方はもう知っているから。


蓮華温泉が旅の始まり。
またここへ戻ってくるんだ。

白い景色の中に
ナナカマドの紅い実がつやつやと輝いている。
大丈夫、秋は来ている。








雨が魅せる森の気配。
空気は湿りをおびて音さえ吸収してしまう。
ほかに歩く人もいない静かな道が続く。




丹念に編まれたレースの襟飾りのように。
雨の雫ではこの繊細さは到底表現できないような
霧のような極小ビーズが魅せる手仕事。



秋の森はどこもかしこも
紅がアクセント。





ゆるやかに登りの道を歩いてくると
木々の様相が変わって来て
開けたところが天狗の庭だった。
ここからは雪倉岳や朝日岳が望める景色の良い場所
ということだけれどもちろん、展望はない。


こんな日は
天狗も遊びに来ないんだろうな。



歩き出しからここまで
ずっとずっと優しい雰囲気の森と道が続く。
急登もガレもない、雨でも穏やかに歩ける森。


そこにミッキーマウスがいたりする。

たとえ景色がなくても
すぐ近くに宝物がたくさん落ちている。

ここは新潟なんだなぁ。
新潟県の鳥獣保護区のマスコットは
おサル顔の小鳥さん。









やっぱり雨なので
ゆっくりと休憩しているわけにもいかなかったけれど
気がつくと空がひらけてきて
ナナカマドの葉もずいぶんと紅さを増していた。




そして。
あ、あった。

先月
サチと腰掛けて
ただ流れる雲を、たまに見え隠れする雪倉岳を
ふたりで眺めていた大岩が。
もう、このすぐ上は白馬大池だ。
( つづく )
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