船窪小屋 2016 8/13・14 ①

8月13日 (土)
真夜中を回ってついた七倉温泉の駐車場には
かなり手前の路肩から車があふれていた。
一番奥まで行っても満車状態…
Uターンしてくるとなんとか数台空いてる一角にKちゃんが車を止めてほっとひと息。
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この週末は、船窪小屋に泊まりに行く、という
ちょっといつもとは違う趣向の山。
同行するのはKちゃんと、共通のフォロワーさんのMちゃんと
Mちゃんの山のコーチというHさん。
MちゃんもHさんも安曇野在住という羨ましい話なのだけど
Hさんはボランティアで船窪小屋のお手伝いや登山道の整備などをされている方という、
言ってみれば今回はガイドさん付きの贅沢な山旅。
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明け方の出発までには3時間くらい寝られそう。
Kちゃんの車のラゲージスペースにシュラフを広げて潜り込むと
窓から見えたのは満天の星空。
山あいの狭い空だけど天の川まで見えて
しかも昨日今日はペルセウス座流星群の極大日。
ぼおっと眺めているだけでも星屑があちこちに流れていく。
こんなに大きな流星を見たのはいつ以来だろう…
なんだかひとり興奮して
横で運転に疲れて寝息を立てているKちゃんとはうらはらに
なかなか眠れないで空を眺めていた。

AM5:00 起床。
今日もいいお天気になりそうな空。
多分ここへ来ている8割方は烏帽子岳方面への登山者らしく
タクシー乗り場は早くからたくさんの人が並んでいた。
今日は船窪小屋へ着けばいいという行程なので
朝の支度もなんとなく余裕でゆっくりめ。
6時半前、全員準備も終わりゲート横の黄色いポストに見送られ出発。
(…と書いておいてなぜか黄色いポストの写真がない。。。
その訳はいずれわかるんだけど。)
烏帽子岳…
いつかこのトンネルの向こう側へ行くこともあるのかな、
そんなことを思いながらトンネルから右へ折れて船窪小屋への道を進む。


小屋までの道には標高140mごとに
1/10から10/10までの表示が出てくることや
この先がどんな道であるかということ
Hさんがこの道を落ち葉掃きや岩を動かしたり
倒木を切ったりして整備した時のお話などしてくれて
普通に歩くだけではわからない
その一歩一歩をなんだかしっかり心して歩かなきゃ、、、
そんな気持ちでしょっぱなからのかなり厳しい急登も
気づけば最初の急登終わりのプレート。





先頭のHさんは休憩を挟みながら
歩きやすいペースで歩いてくれる。
岩小屋と呼ばれる大岩では
こうやってビバークするのよね♪
と、Kちゃんのデモンストレーションが見られたり^^



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この辺にはオオヤマレンゲが咲くんですよ、なんてHさんの解説に
それが咲く季節にも来てみたいな、と思ったり。
この先に広い場所がありますからそこで休みましょう
と言われて着いたのは「お休み処」の看板の文字。
夜通し運転してきたKちゃんは仮眠したとはいえさすがにきつそう。
ちょっと寝かして…
とお昼寝タイムへ。


その間にMちゃんとお話ししてると
Mちゃんのお母さんの実家は大町だということがわかり。
私の母も大町が実家…五日町で、というと
Mちゃん 「うちもそう!! 昔、映画館があったそばで…」
私 「映画館あった!子供の時、夏休みにガメラとか見に行ってたよー!!」
Mちゃん 「ええーー!! ( ⊙⊙)!!」
世間は広いようで狭い…ナーンテそんなことでかなり嬉しかったりする。
そうこうしてるとガスも出てきて冷えてきているので
そろそろ前に進みましょうかと
Kちゃんもむっくりと起き上がり
少し寝られたのでちょっとはすっきりしたみたい。

この先はウワサに聞く鼻突き八丁が待っている…


延々と続く梯子を登り鼻突き八丁をやり過ごす。。。
やがて道はダケカンバ通りに変わって樹林帯を抜けたことを知る。
振り返ると
あの暗闇からポカっと出てきたのだということがよくわかる。


そして天狗の庭へ。
この白い雲がなければここにはどんな景色が見えるのだろうと
しばし悶々と、でも、とりあえず急登はもう無いのかなとという安堵感とで
買ってきたいなり寿司を頬張ってみる。


船窪小屋まで50分という表示に
森林限界を超えて
気がつけばハイマツの道へ。
まだまだ登り調子の道だけど
頭の上が開けている、というだけでかなり気持ちは楽かもしれない。


やがてお花畑と思われる場所になると
道はもう緩やかになって
優しい斜面にはチングルマの花穂の群落やワレモコウが姿を見せていた。
左手の空には青空も見えて
この稜線上で風がぶつかっているのがよくわかり
この先開けたら、もしかしたら…裏銀座方面がバーーーンと見えたらどうしようかと
勝手にドキドキしながら歩いていた。





やがて尾根を乗り越えて
ダケカンバの下を道が左手につけられた跡をたどると・・・

タルチョがたなびく青い屋根。
船窪小屋だ。
Mちゃんは憧れの船窪小屋まで来れて
感無量とばかり泣きそうになっている。

噂に聞いていた通り
登山者かやってくると鐘を鳴らしてくれるという
その場面も目の当たりにすることができて
私自身も感無量。
こんな嬉しいことは無い。

お茶をどうぞ~~
と差し出されるお茶をありがたくいただいて
とりあえず外のベンチに腰を落ち着けると
あゝ本当に来たんだ。。。
と、Hさんが持ってきたのは
この日のために事前に荷揚げしておいてくれたというビール。
もう、もう、それはありがたくイタダキマス。
おつかれさま!カンパーイ!!

標高差1400mはなかなかキツイ、、、
いや、かなりキツカッタ。。。
でも無事につけて本当にほっとした気持ちでビールをいただいた。
そしてそのあと出てきたのは
Kちゃんが作ってきてくれたレアチーズケーキ♪
Hさんが担ぎ上げてくれた五一ワインと一緒に。


針ノ木岳も見えている。
あゝしあわせ。
( つづく )
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