「41人の嵐」Ⅲ caffe nero と山の神様の導きと
高二の夏合宿の話はこれで終わりなのだけれど「41人の嵐」を手にするまでになんと長い月日がかかったことか。星さんがこれを書いて山梨日日新聞社から出版されたのは本の奥書をみるとこの台風の翌々年の春先。私は高校卒業を間近に控えた頃だ。確かあの頃の「山と渓谷」にも星さんは特集記事で取り上げられていたと思う。41人の嵐を出版した後だったのかな。顧問M先生からうちの高校の話も出てるわよ、と教えられ「41人の嵐」を借...
「41人の嵐」Ⅱ 高校二年の夏合宿②最後の下山者
雨降る林道を延々と歩く。(野呂川出合方向から両俣方向を望む 2013)当時はエントラントの雨具だった。さすがに2年になったのでキスリングではなくバイトして買った赤いカリマーのザックを背負い赤いキャラバンシューズではなくこれまたバイトして買ったかお年玉で買ったかのガリビエールのスーパーガイドを履いて足元だけ見て歩いていた。カーブを曲がっても曲がっても永遠に続くのではないかと思われる林道。雨で真っ...
「41人の嵐」 Ⅰ 高校二年の夏合宿①台風10号
「41人の嵐」それは南アルプスの両俣小屋の小屋番である星美知子さんが書かれた本。198○年の夏に南アルプスを直撃した台風10号の記録である。その台風で南アルプススーパー林道は全線にわたって崩壊・・・復旧するまでに丸二年ほど要するというこの何十年かの中では南アルプスにとって一番大きな被害を出した台風として今でも記憶に刻まれるれている。その台風が来た時に高校2年の夏合宿で両俣にテントを張っていた私たち登山部。...