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会津駒ケ岳  2017 5/4・5  ④

 23,2017 21:17






至福の山頂をもつ小屋。









それは静かな朝の始まりだった。





小屋の温かい布団の中で目覚めると
窓の外にはもう暗闇はなく白んでいて
防寒着を身につけて外へ出てみると
山並みの向こう側はほんのり茜色に染まり





その色合いはじわじわと和紙に滲んで行くように空に広がっていき
劇的ではないけれどどこまでもおだやかで
この会津駒ケ岳にはふさわしいような朝を迎えて
みな静かにそれぞれがこの時間に浸っていた。










タイチローサンは天の川を撮るために夜中に起きだし
気がついたらもう朝になってたと笑っていた。










自炊室で朝ごはん。

ヨーコチャンが昨日の鍋の残りを雑炊にしてくれて
ホッとする美味しさとあったかさに身体も目覚めてきた。















そして今日は
昨日、小屋の奥様のさゆりさんとお話をしていて

「中門岳に行くのもいいですけど、
大戸沢岳の方ももいいですよ~。
夏は藪がひどくて歩けないから雪のある時期限定なんですよ。」

と言われていたので期間限定に弱い三人組は迷わずそちらへ。















会津駒ケ岳から中門岳とは反対方向
広い雪原のような稜線には
一応薄くトレースはついているけれど
誰も歩いていない。

















振り返ると燧ヶ岳、至仏山、会津駒ケ岳が並んでいる。

あまり見ることができない贅沢なショットかもしれない。





右に目を移せば
中門岳へのなだらかななだらかな稜線が続く。










会津朝日岳の奥に
遥かに、はるかに見えているのは
去年ヒメサユリを見に行った浅草岳が真っ白に
そしてその横には守門岳。


新潟の山山もおだやかで奥深くて静かな気品が感じられる。










やがて着いた広々としたなだらかな斜面。
GPSで見てみるとそこが大戸沢岳の山頂だった。


広い空と静かな時間に浸る。




















あとから来た二人連れは
このまま滝沢登山口へ下るそうで
なだらかな斜面の向こう側へと姿が小さくなっていった。


それを見送り私たちも戻りましょうか。



































そして戻ってきた会津駒ケ岳の山頂には
誰もいなかった。











  「頂上は、私が今までに得た多くの山頂の中でも、最もすばらしい一つであった。
   どちらを向いても山ばかり、……
    六月半ばの快晴の日
    ただ一人この山に在るという幸福感が私を恍惚とさせた。」 (『日本百名山』会津駒ケ岳 深田久弥)



以前夏に来たとき
見上げるほどの山頂標識と木に囲まれた山頂からは
燧ヶ岳がちらっと眺められたくらいで
どうしてこの山頂が素晴らしいのかわからなかった。

でもそうじゃない、わかってなかったのは自分だってことが。
深田久弥がこの山頂に立ったのも、
「おびただしい残雪で輝いている」 季節だったから。





この山頂は至福の山頂そのものだった。
















小屋へ戻って、一服。





いつまでものんびりと
こんな空の下でここに居たかったけれど帰らなくては。



小屋の外でお仕事をしていた駒の姐さんにお世話になりましたと声をかけると
わざわざ見送りに来てくれて
いつまでもいつまでも手を振ってくださった。

また来ますね。















綺麗な端午の節句の空だった。












後日、駒の小屋宛に
「41人の嵐」を送ったらお礼の葉書をいただいた。

ハクサンコザクラが刷られた可愛らしいハガキに
明るくてチャーミングな奥様の人柄そのものみたいな可愛らしい文字で
お礼の言葉が綴られていた。



また今回も中門岳には行けなかったから
池塘が綺麗に輝く時期にまた行こう。

でも
自分が知る限りの山頂の中でも、最もすばらしい一つ、
・・・であるこの季節の、あの白く輝く季節にまた来てしまいそうな
そんな気がしている。




(  おわり  )



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